小型│軽量『SANWA エアダスター 200-CD071』分解│修理
道具レビュー第三十六回めで取り上げたサンワサプライの電動エアダスター 200-CD071。
過去記事は ⇒ こちら。
半年くらいはカタログ通りの「強風で8分」くらいの使用時間だったのだが、徐々に電池切れが早まるようになって、今や5秒も噴射できなくなった。
コードレスタイプで充電池を内蔵している。
ざっくり見積もっておよそ500回くらいは充放電できるはずのLi-ionバッテリー。
平均して毎日約1-2分使い、3~4日に一度は充電、という使い方なので1年は持つだろうと思っていたのだが・・・10か月でウンともスンとも言わなくなった。
どこか機械な故障ならたぶんどうにもならない。
しかし他のユーザーのレビューを読んでも「電池寿命」的な報告が散見される。
もしかすると内臓バッテリーの交換だけで復活できるかもしれない?という淡い期待で、
今回は『電動エアダスター CD071を分解』してみることにした。
エアダスターCD071 充電異常
電池が持たなくなり放置していたCD071。
数か月放置していたので気が変わって直ってないかなと充電してみた。
(そんなわけ無い)
通常は取説にあるように3連LEDが1つずつ点灯して充電の進捗を知らせる。

©SANWA
ところが久しぶりに充電してみると、そのLED表示もおかしくなっていた。
1つずつ点滅するんじゃなく、上と下の2つが同時に点滅をくりかえし消灯する現象。
過去に見たことがなく、取説を見てもそんな異常サインは載ってなくてどうにも解らない。
何時間か放置してみたが症状は変わらず、どうやら充電スタートすら出来ていないようだ。

エアダスターCD071 分解
保証期間は過ぎてるし、メーカーに修理に出すほどでもない。
とりあえず分解して中身がどうなっているか視てみることにした。

1 パーツの構成
1.筐体ケース
ノズルやフィルターなどのパーツを外しておく。

ドライバーはプラス(+)の1番を使用。

ビスは5か所。

ビスが外れたらケースの合わせ目にマイナスドライバー等を入れて開く。


両面テープなどの固定はないのでパカっと開く。

2.モーター
モーターはケースにはめ込まれているだけ。

引っ張れば取り出せる。

(ただし取り巻きコード類の扱いには注意)
ちなみにモーターはNidec製(DC10.8V 120W)が使われている。

3.バッテリー
バッテリーも筐体ケースにはめ込まれているだけなので、引っ張ればゴロンと出てくる。

基盤の周りのコード類をほぐすようにバッテリーを引き離す。

バッテリーのシュリンクフィルムを剥がして中を確認。

表示には「HIGHSTAR ISR18650 -2000 Li-ion」とある。

“HIGHSTAR”は中国のLi-ion電池メーカー。
“ISR 18650”の18650はLi-ionの規格表記で「径18mm×長65mm×〇型」の意。
電圧は3.7V×3本で11.1V、電池容量は2000mAhということになる。
4.基盤
基盤もケースにはめ込まれているだけだが、コード類が集まっているのでモーターやバッテリーを外さないと出てこない。

細い線はないが慎重に作業。

基盤の裏面と表面。


表側には充電ポート(type-C)や電源スイッチがある。

2 パーツのチェック
外観を見てみる限りは、何かの線が外れているとか溶けているとか、そんな症状はない。
難しい検査はできないが、素人判断でいろいろチェックしてみた。

1.充電ポート
充電端子のUSB-Cを調べた。

通電すると先ずLED(青)が3灯点滅して、充電がスタートしたかに見える。
(ここまで正常)
その後2灯だけ点滅するという異常サインは分解前と同じ動作。

USBテスターで電圧をチェック。
充電は5V/1A~5V/2Aで入るはずだが、そこまで流れていない様子。

USB-Cから基盤を介して、バッテリーのプラス(+)マイナス(-)への電圧をチェック。 
およそ1.4Vだった。

2.温度センサー
Li-ionバッテリーには充電時の温度を監視する“サーミスタ”と呼ばれる回路がついているらしく、電池パックの被覆を剥がしたときに出てきたこの青い抵抗?がそれと想われる。

この辺りについていた。

「温度が上がると抵抗値が下がる」という特性を生かして、バッテリー充電時の高温を検知する役目だが、このパーツに異常があると過充電を起こすなどLi-ionバッテリーを壊すらしい。
セラミック抵抗の寿命は長いらしいが一応確認してみた。
およそ10KΩあって正常と想われる。

3.バッテリー
Li-ionバッテリーを外してみる。

はんだコテで裏側から溶かす。


気になるのはバッテリーの電圧。
3S(直列)なので3.7×3=11.1Vあるはずだが、

結果は1.3Vだった。

4.モーター
モーターが動くのかどうかを試した。

モーターの端子に直接3.7V×0.6Aをかけてみたが、動かない。

3本分の10.8Vに上げてみても、動かなかった。

(モーターに異常はなさそうなので理由を調査中)
まとめ
症状のまとめ
- 毎日2分ほど、3-4日毎に充電という使い方で9か月くらいで故障
- 半年超で5時間充電をしても使用時間1分~徐々に短くなり最後は5秒で電池切れ
- 満充電になる約5時間の充電をしても満充電のLED点灯しないまま
- 2-3か月後に再び充電を試みたが現在はまったく不動
- 動かなくなった後の充電は取説にない異常なLED点滅
分解のまとめ
- 充電ポート(USB-C端子)は破損なし
- 基盤上からのバッテリー電源コードに断線は無し
- モーター動力線にも断線はなし
- Li-ionバッテリーはHIGHSTAR製18650(3.7V/2000mAh)と判明
- 3.7V×3Sなので11.1Vパックだが実測値は1.3Vしかなかった
- 基盤ついては知識が無く検査不可
修理の判断
通常3.7VあるLi-ionバッテリー電圧がおよそ30%下がると過放電になり使用不可といわれている。
1.3Vしかないということは約マイナス65%、完全に死んでいる状態。
この状態になった理由が判らない。
HIGHSTAR(中国)はLi-ion製造では有名らしくいろんな製品に使われているらしい。
無名で出所のよく判らないシナならある意味納得だが、有名メーカーでも数か月で寿命になるのだろうか。
もし仮にバッテリー品質のせいではないとすると、基盤に(もしかしたら元から)異常があってLi-ionバッテリーの寿命を縮めたのかも、という推測にもなる。
さて修理できるのかどうか。
HIGHSTAR製のLi-ionバッテリーはAlibabaなどの通販サイトを探すと見つけることはできる。

©Alibaba
ただ「HIGHSTAR」のLi-ionじゃなくてもよいのだが、何を基準にすれば安心できるかも判らない。
この単品HIGHSTA製Li-ionバッテリーを買ってDIYでパックを組むことも考えたが…知識はもちろんスポット溶接機が必要などちょっと敷居が高すぎる。
HIGHSTARにこだわらず、日本国内で俵型3SパックのLi-ionバッテリー製品がないかと探してみたが、こういうタイプ自体が少なくてなかなか見つからないのが現状。
ようやく見つけたAmazon取扱品も、結局は中国からの輸入品のようである。

©Amazon
そもそも中華製リチウム系バッテリーは発火事故のニュースをたびたび聞く。
有名メーカーのAnkerでさえもリコール騒ぎがあったする。
ということを踏まえると、
- 中身不明の怪しいメーカー製Li-ionは危険リスクがありすぎる
- バッテリーを入手できても同じ短寿命かもしれない
- もし基盤に異常があったらバッテリー交換しても動かない危険性もある
趣味のDIYではあるが「エアダスター価格のおよそ半額ちかい費用をかけ、発火するかもしれない中華バッテリーと交換をする」という気にはやっぱりなれず、断念することにした。
このサンワ製200-CD071、持ちやすさとかデザインとか、完ぺきではないが使いやすいツールだった。
もしDIY修理に成功している方がいたら是非参考にさせていただき再挑戦してみたいのだが、、、
今はおとなしく別メーカーのブロワ(エアダスター)を探すことにした。







