『ちぎれた ネームランドテープ』繋いで修理│その手順
CASIOの人気ラベルプリンター ネームランド 。
新品のうちはいいのだけれど、保管が長いと?ラベルテープが切れることがある。
でも切れたからと毎回買い替えていてはやっぱり勿体ない。
そこで、テープを繋ぎ直す修理に挑戦してみた。
CASIOラベルテープを修理 ✇
1 テープのしくみ
CASIO ネームランドでもKINGJIM テプラでも “ラベルテープ” の仕組みは同じような感じで、だいたい3層になっている。
【CASIOネームランドのカートリッジ 】

3層の例
カートリッジを選ぶ時、
「何色の文字がいいかな」
と悩む部分がインクフィルム
(赤や白など文字の色)
「何色のテープがいいかな」
と悩む部分がベースフィルム
(黒や透明などラベルの色)
2 カートリッジの構造
カートリッジ内を観察するとテープが巻かれた“3つのリール”が見える。
左の大きなリール にはベースフィルム+粘着フィルムが一重で巻かれている。
下の小さなリール にはプリント前のインクフィルム巻かれている。
右の小さなリール には使用済みインクフィルムが巻き取られる。
写真上⇧ CASIO ネームランド テープカートリッジ 構造
プリントアウトされたラベルは、3層が重なり1枚になって出てくる仕組み。
3 テープ切れの理由
ここで問題が起きやすいのはインクフィルムである。
ラベルプリンターの何かが調子悪いと、未使用リールの送り出しと使用済みリールの巻き取りがうまく噛み合わなくなり、インクテープに負荷がかかって切れてしまう。
それがカートリッジの中で起こるから始末が悪い。
テープが切れたからと言って、いちいち本体とカートリッジを一緒に修理に出すわけにもいかず、結局しぶしぶ買いなおすことになる。
なぜインクフィルムが切れやすいのか?
その理由は “一番薄いから” 。
イメージとしては文房具にあるまっ黒なカーボン紙。
あれをもっと薄くしたような ペラッぺら のフィルムなのである。
修理はこの薄~いフォルムをつなぐことになる。
4 修理手順
1. カートリッジを観察
分解する前に、切れたテープの端と端がどこにあるか確認。
たいていは片方がカートリッジの外(印字部分)、もう片方がカートリッジの中。
2. カートリッジを分解する
作業にはピンセットと、先の細いマイナスドライバーがあると便利。
カートリッジケースにネジ類は使われておらず、はめ込まれているだけ。
なのでマイナス(-)ドライバー等でケース境目の隙間を探って、こじ開ける。
このカートリッジの場合は下面側の中央に差し込めた。
マイナスドライバを2本使って少しずつ開いた隙間を広げていく。
ネジは使われていないが所々に接着剤らしき痕跡(白いあと)が見える。
この接着個所をマイナスドライバーではがしていく。
ケースを割らないように慎重に。
3. 切れたテープの両端を引き出す
切れたテープをまずは観察。
修理するテープの両端を、そっと慎重に引き出す。
長めに引き出したほうが作業性がいい。
写真⇩ 使用済みインクテープを見るとどんなラベル作ったのかバレバレ(w
4. テープ両端を揃えてテープで貼る
手順は以下の通り。
- 接着力の弱いテープ(マスキングテープ等)を用意
- 切れたインクテープの両端をあえて少し重ねるようにして一直線に並べる
- 一直線になったインクテープをマスキングテープ等で仮止めする
- 少し重ねたインクテープ部分を一緒にカットして断面を揃える
- 不要なカット破片を取り除く
- インクテープ突き合わせの境目に”透明テープ”を貼ってつなぐ
修理に使う”透明テープはなるべく薄い方が良い。
一般的なセロテープなどは厚みが0.050mm。
3M製『スコッチ超透明テープS』の厚みは0.045mm。
もっと薄手の0.023mm厚の商品もある。
こちら薄く柔らかく仕上がりは上々なテープ。
☞ 注意
使い終わった不要インクテープにあまり神経を使う必要はないが、インクフィルム自体が薄っぺらい素材のため、あまり乱雑に扱うとすぐ切れてしまうから注意。
例えば修理の時、繋ぎ合わせテープをやり直そうと剥がしでもたら1発で破れる。
この薄さ=弱さが結構やっかいなのである。
補修のテープ貼りは一発勝負。
テープ貼りに失敗するとやり直しは不可能なので、その部分は切り落とすしかない。
失敗したら、再度フィルムを引き出して、揃えて、仮止めして・・・をエンドレスにさせられることになる。
実際そうなっていい加減こっちがキレたのは言うまでもない。
5. ゆるんだテープをリールに巻き取る
テープ修理が済んだら、仮止めマスキングを剥がす。
後はゆるんだテープを巻き取るだけ。
ここで注意!
新しいインクテープ(下のリール)は回き戻さないこと。
修復部分は必ず、使用済みリール側に巻く。
切り貼り部分を印字面に戻すと、また撚れや皺がでて絡んでしまう危険がある。
写真⇩ 鉛筆などをリール芯に挿して巻き取る
6. カートリッジを組み立てなおす
カートリッジの上部に“金属製のガイド部品”と新しいインクフィルムのリールを押さえる“金属製のワッシャ(シム)部品”がある。
取付け忘れの無いよう注意する。
インクテープを挟み込まないように、慎重にケースを合わせる。
7.カートリッジケースの固定
カートリッジケースの分解時、接着剤を剥がしてしまっている。
また接着剤で固定してもいいが、もし染み出して内部を汚くしてしまっては困るので、再組み立ては透明テープで固定する方法にした。
何ヵ所かピっタリ貼って止めればたぶん大丈夫。
まとめ
これで一応の修理完了。
連日のテープ修理・・・今日も神経使って胃が痛い。
テープ切れが起きやすいのは、ほぼ同じ理由、同じ場所。
つまり構造?素材?を改良してくれれば良いのだが。
メーカーさんには壊れにくい切れにくい製品を作ってほしいところ。
TEPLAラベルテープ (おまけ)
1 TEPRA PRO
現在のmy工作室のメイン機はKINGJIMのTEPRAを使用中。
ネームランドも使っていたが、最終的にはテプラになった。
運かも知れないが、テプラ機種を何世代も買い換え20年程になるが”テープ切れ”は起きたことがないのがその理由。
ただテープ切れなくても、印字されないままラベルが出てきてしまうという別のトラブルもあった。(先代のSR3500Pでの症例)
これはプリンター本体の故障ではなく、ラベルカートリッジが古くなる=素材の劣化?で起きるらしい。
新しく買ったモノに交換したら再発しなくなった。
未開封カートリッジでも消費期限とかあるとは知らなかった。
写真⇩ メイン使いのSR5900P
1.特徴
- 機械の設定からラベル文字編集までPC画面で操作できる
- 無線LAN対応
- 様々なフォントを使える
- 印字がすごく滑らかで 以前のようなカクカクな文字ではない
- 過去のラベルプリンターと比べると感動するキレイさ
- 印字が速い ※前機種に比べて
2.お気に入り機能
もう1つ便利な機能がオートカット。
この機能があるのは本当に便利。
※注)オートカット機能はCASIOネームランドにもあり
ラベル表面にだけカットが入りプリンターから出てくるので、
台紙からテープを剥がしやすい。
写真⇩ 2枚連続でラベルをプリントアウト
裏の剥離紙は切れていないが、
表のラベルテープの間にだけ 自動で“切れ目”が入り 剥がしやすくなっている。
かなり おすすめ のラベルプリンターなのである。
2 TEPRA カートリッジ
テプラのカートリッジも、中身の構成はネームランドのカ-トリッジとほぼ同じ。
2か所あるクサビ形の固定爪を(-)ドライバー等でこじ開けやると分解できる。
内部はこんな感じ。
もし切れた場合は、同じような要領でインクテープを繋ぎ直して修理できる。