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『ちぎれた ネームランドテープ』を繋いで直す
人気のCASIOのラベルプリンター ネームランド 。
新品のうちはいいのだけれど、保管が長いと?ラベルテープが切れることがある。
でも切れたからと毎回買い替えていてはやっぱり勿体ない。
そこで、テープを繋ぎ直す修理に挑戦してみた。
今日もテープを修理 ✇
テープの構造
CASIO ネームランドでもKINGJIM テプラでも “ラベルテープ” の仕組みは同じような感じで、だいたい4層になっている。
【CASIOネームランドのカートリッジ 】
カートリッジを選ぶ時、
「何色の文字がいいかな」
と悩む部分がインクフィルム
(赤や白など文字の色)
「何色のテープがいいかな」
と悩む部分がベースフィルム
(黒や透明などラベルの色)
カートリッジの構造
カートリッジ内を観察するとテープが巻かれた“3つのリール”が見える。
左の大きなリール には3層目と4層目が一重になって巻かれている。
下の小さなリール には2層目のインクフィルム巻かれている。
右の小さなリール には使用済みインクフィルムが巻き取られる。
写真上⇧ CASIO ネームランド テープカートリッジ 構造
つまりプリントアウトされたラベルテープは、1~4の層が重なり、1枚になって出てくるという仕組み。
テープ切れの理由
ここで問題が起きやすいのは2番めのインクフィルムである。
ラベルプリンターの何かが調子悪いと、未使用リールの送り出しと使用済みリールの巻き取りがうまく噛み合わなくなり、インクテープに負荷がかかって切れてしまう。
それがカートリッジの中で起こるから始末が悪い。
テープが切れたからと言って、いちいち本体とカートリッジを一緒に修理に出すわけにもいかず、結局しぶしぶ買いなおすことになる。
なぜインクフィルムが切れやすい?
その理由は “一番薄いから” である。
イメージとしては文房具にあるまっ黒なカーボン紙。
あれをもっと薄くしたような ペラッぺら のフィルムなのである。
修理はこの薄~いフォルムをつなぐことになる。
修理手順
1. カートリッジを分解前に観察
切れたテープの端と端がどこにあるか確認。
たいていは、片方がカートリッジの印字部分、もう片方がカートリッジの中…。
2. カートリッジを分解する
作業にはピンセットと、先の細いマイナスドライバーがあると便利。
カートリッジケースにネジ類は使われておらず、はめ込まれているだけ。
なのでマイナス(-)ドライバー等でケース境目の隙間を探って、こじ開ける。
このカートリッジの場合は下面側の中央に差し込めた。
マイナスドライバを2本使って少しずつ開いた隙間を広げていく。
ネジは使われていないが所々に接着剤らしき痕跡(白いあと)が見える。
この接着個所をマイナスドライバーではがしていく。
ケースを割らないように慎重に。
3. 切れたテープの両端を引き出す
切れたテープをまずは観察。
修理するテープの両端を、そっと慎重に引き出す。
長めに引き出したほうが作業性がいい。
写真⇩ 使用済みインクテープを見るとどんなラベル作ったのかバレバレ(w
4. テープ両端を揃えてテープで貼る
手順は以下の通り。
①テープ両端を接着力の弱いテープ(例えばマスキングテープ)を用意。
②切れた両側のテープをあえて少し重ねるようにして、一直線に並べる。
③一直線になった両側テープをマスキングテープで仮止めする。
④重ねたテープ部分を一緒にカットして断面を揃える。
⑤不要なカット破片を取り除き、突き合わせの境目を揃える。
⑥境目に透明テープを貼り、テープをつなぐ。
修理に使う透明テープはなるべく薄い方が良い。
一般的なセロテープなどは厚みが0.050mm。
3M製『スコッチ超透明テープS』の厚みは0.045mm。
もっと薄手の0.023mm厚の商品もある。
こちら薄く柔らかく仕上がりは上々なテープ。
☞ 注意
使い終わった不要インクテープにあまり神経を使う必要はないが、インクフィルム自体が薄っぺらい素材のため、あまり乱雑に扱うとすぐ切れてしまうから注意。
例えば繋ぎ合わせ時、透明テープを貼り直そうと剥がしたら1発で破れる。
この薄さ=弱さが結構やっかい。
補修のテープ貼りは一発勝負だと思った方がいい。
テープ貼りに失敗すると貼り直しは不可能。
その部分を切り落とすしかない。
失敗したら、再度フィルムを引き出して、揃えて、仮止めして・・・をエンドレスにさせられることになるので(実際そうなった)いい加減こっちがキレた。
5. ゆるんだテープをリールに巻き取る
テープ修理が済んだら、仮止めマスキングを剥がす。
後はゆるんだテープを巻き取るだけ。
ここで注意!
新しいインクテープ(下のリール)は回き戻さないこと。
修復部分は必ず、使用済みリール側に巻く。
切り貼り部分を印字面に戻すと、また撚れや皺がでて絡んでしまう危険がある。
写真⇩ 鉛筆などをリール芯に挿して巻き取る
6. カートリッジを組み立てなおす
カートリッジの上部に“金属製のガイド部品”と新しいインクフィルムのリールを押さえる“金属製のワッシャ(シム)部品”がある。
取付け忘れの無いよう注意する。
カートリッジケースの分解時、接着剤を剥がしてしまっている。
また接着剤で固定してもいいが、接着で汚くなるのも困るので、再組み立ては透明テープで固定する方法にした。
何ヵ所かピっタリ止めればたぶん大丈夫。
まとめ
これで一応の修理完了。
連日のテープ修理・・・今日も神経使って胃が痛い。
テープ切れが起きやすいのは、ほぼ同じ理由、同じ場所。
つまり構造?素材?を改良してくれれば良いのだが。
メーカーさんには壊れにくい切れにくい製品を作ってほしいところ。
おまけ
TEPRA PRO
現在の環が工作室のメイン機はTEPRAである。
ネームランドも使ってはみたが、結局はテプラになった。
何代も機種を換え20年程になるが”テープ切れ”は起きたことがない。
ただテープ切れなくても、印字されないままラベルが出てきてしまう症状があった。
先代のSR3500Pでの症例。
これはプリンター本体の故障ではなく、ラベルカートリッジが古くなると素材の劣化?らしい原因で起こるらしい。
新しく買ったモノに交換したら再発しなくなった。
未開封カートリッジでも消費期限とかあるらしい。
今メインなのがSR5900P。
- 機械の設定からラベル文字編集までPC画面で操作できる。
- 無線LAN対応。
- 様々なフォントを使える。
- 印字がすごく滑らかで 以前のようなカクカクな文字ではない。
- 過去のラベルプリンターと比べると感動するキレイさ。
- 印字が速く静か。
もう1つ便利な機能がオートカット。
特別めずらしい機能ではないだろうが、これはとても便利。
ラベル表面にだけカットが入りプリンターから出てくるので、
台紙からテープを剥がしやすい。
2枚連続でラベルをプリントアウト。
裏の剥離紙には切れ目が無いが、
表のラベルテープの間には自動で“切れ目”が入り、剥がしやすくなっている。
※注)オートカット機能はCASIOネームランドにもある
かなり おすすめ! のラベルプリンターなのである。