ポケモン『 走る!ピカチュー 』ヒミツを探る①
TAKARA TOMYから発売されている『超速ピカチューン』
2つのモーターが搭載され、左右別々に車輪を回して走行するタイプのトイラジ。

ⒸTAKARATOMY
その仕組み、中身に興味あって分解してみることにした。

PikaTuneの分解
1 胴の分解
1.お腹
ピカチューンを裏返すと、お腹に4本の(+)ビスがある。
まずここから緩めていく。

もちろん電源はOFFで作業。

2.後足と前足
胴体のお腹を開けると基板が表れる。

1⃣ 後足
左右に見えるホイール(車輪)はピカチューンの後足にあたる。
ホイールは差し込まれているだけなので、外側に引っ張れば外せる。

後足ホイールの外径は約26mm。

ホイールにはシリコン製Oリングが嵌め込んである。

ちなみにホイール側ギア歯数は36枚。

ホイールを外すと、奥のギアボックスを観察できる。

2⃣ 前足
前足になっている車輪付き腕パーツを外す。
このパーツもネジはなく差し込まれているだけ。

小さな車輪がついている。直径は約8mm。
3.充電池
一番下(ピカチューンのお尻)には充電リチウムポリマー充電池が収まっている。

表示には「3.7V 45mAh」とある。

電池の大きさ
大きさを測る。長さは約17.5mm。

幅は約12mm。

厚みは約5mm。

4.受信機基板
基板は1本の(+)ビスでとまっている。

ビスを外し、スイッチのキャップ(黄色パーツ)も外す。

基板を持ち上げると、首あたりに受信アンテナ(茶色リード線)が見えてくる。

切断しないよう注意しながら抜く。

基盤の大きさ
受信機基板の大きさを測ってみる。長手方向は26mm。

短手方向は18mm。

5.アンテナ
次はアンテナ線。
基板の裏側にハンダ付けされている茶色のリード線がそれ。

リード線の太さは1.3mm。

長さは約31mm。

ここでちょっと確認。
一般的RC模型や玩具に使われている電波の周波数帯は2.4~2.45GHz。
アンテナはこの1/4波長の長さにすればOKとのことで、計算すると3.05~3.125cm ということになる。
搭載されているリード線は約31mmなのでほぼ正確である。
写真⇩ 基板まで外したピカチューン

6.背中
ギアボックスはピカチューン胴体の背中側にビス留めされている。

なので、4本の(+)ビスをゆるめて胴体の背中パーツを外す。

背中パーツが外れ、ギアボックスが丸出しの状態になる。

ギアボックスの左側面。

右側面。

ギアボックスの背面。

ギアボックスには、ギア以外に、ピカチューンの頭と尻尾をつないでいる連結パーツも収まっている。

2 ギアボックスの分解
1.左側ギアボックス
まず左側ギアボックスの(+)ビス2本を外す。 ※分解はどちら側からでも可

細かいパーツが多いのでゆっくりフタを開ける。

ギアボックス中には、モーターのピニオンギアの他に二段ギアが1枚ある。

2つのモーターからは赤リード線と青リード線がそれぞれ基板につながっている。

ショートに注意しながら、ピカチューンの電源を入れてみる。
インジケータLEDの光る位置もわかる。

スロットルを操作してモーターを回してみるテスト。

2.シッポの分解
1)シッポの構造
ピカチューンが四つ足走行から二足走行になるとき、体を起こして立ちがる。
と同時に、アタマとシッポの角度が変わる。
アタマは、重力の仕掛けでいつも正面を向く様に動く。
アタマが動くと連結ロッドで繋がったシッポも動く。
写真⇩ ピカチューンが四つ足の時の姿勢

写真⇩ ピカチューンが立っている時の姿勢(後ろ2輪走行)

2)シッポの分解
連結ロッドのジョイント穴に差し込まれているだけのシッポを外す。

3.内部ギア(左)
続けて二段ギアを外す。歯数は 8枚×32枚。

これもシャフトに差し込まれているだけ。

4.右側ギアボックス
反対側、右側ギアボックスの(+)ビス2本を外す。

5.内部ギア(右)

3 モーターの取り外し
最後はモーターを外す。
ピニオンギア側から押してやると、モーターマウントから抜くことができる。

反対側も同様に取り外す。

受信機基盤、リポ充電池、モーターだけになった状態。
基板の表側。

そして裏側。

モーターの大きさ
モーターの大きさを測る。長さは約12mm。

直径は約6mm。

モーターのピニオンギアは7枚歯。

4 頭の分解
頭の後ろに4本の(+)ビスがあるのでゆるめる。

パーツを外すと、シッポにつながる連結ロッドと、ねじりバネが見える。

連結ロッドを外す。

ほぼ全てのパーツ分解したPikaTune。

基板+モーター+バッテリーをまとめとして、部品総数は 19個。
※ビス類は除く
PikaTuneの復元
バラしたパーツを逆の手順で復元していく。
1 アタマとシッポの組立
アタマパーツ+連結ロッド+シッポパーツを組み付ける。
(ギアボックスは確認の仮組み)

2 モーターの取り付け
モータマウントにモーターを差し込む。
R側モーター、L側モーターを間違えない様に。

3 ギアボックスの組立
1.左側ギアボックス
ギアボックス内シャフトに二段ギアをはめる。

そして左側ギヤボックスを閉じる。

2.右側ギアボックス
反対側も同様に、ギアボックス内シャフトに二段ギアをはめる。

右側ギアボックスを閉じる。

まず片側のビス2本を固定。

立ち上がり時のソリッドになるパーツを組み込む。

残り2本のビスを固定。

4 受信機基板の取付
ピカチューン首あたりの小穴にアンテナ線を入れる。

アンテナ線を確認しながら、基板をビスどめ。

5 胴体の組立
1.背中
背中パーツとビス4本を用意。

ギアボックスに背中パーツをかぶせてビスどめ。


ここでシッポの動きを確認。
スムーズに上下して、アタマが連動すればOK・・・・・・

動かない?

改めて調べたら、シッポの表裏が逆だった\(ToT)/

シッポを裏返して挿しなおし。

もう一度動作を再確認。

シッポを下げると、アタマが上を向く。
これで正常。

3.前足と後足
基板のON/OFFスイッチカバーをはめ込む。

前足パーツを組み込む。

後足(後輪)をシャフトに差し込む。

4.お腹
最後にお腹パーツを閉じる。

ここもビスは4本。

復元完成。

まとめ
チョロチョロ走り回るPikaTuneはすぐ障害物にぶつかりまくりなのだが、少々のことでは壊れない工夫が随所にある。
構造からみれば、あえてダッシュとスピンでぶつけて遊ぶことを前提にして作られている感さえある。
アタマとシッポをつないでいるリンク方式も面白い機構。
伏せるか立つか、の2アクションに限定してるので単純構造で壊れにくいし、加えてアタマにはスプリングを入れて衝撃吸収もさせている。
小さなトイRCであるが、よく考えられているなあと感心させられたのだった。
次回は『RC PikaTune 送信機の中身│解体新書』。




