『Panasonic 屋外カメラ VL-CV100K セット』 #2 屋外カメラ設置例
“Panasonic VL-CV100K”前編 のつづき。
前回パート1は親機モニタをDIYで設置。
今回は屋外カメラの設置をするパート2。
カメラ DIY設置
1 取付位置
1.条件
屋外カメラを設置する場所についての条件。
- 直射日光が当たらないこと
- 電源コードを屋内まで配線できること
- 直接水がかからないこと
- 地面からの高さ2.5~3m以上
- カメラ視界に動くもの(木枝や旗など)が無いこと …など
2.優先事項
優先事項の1つめ。
「長時間直射日光が当たる場所を避ける」こと。
北側は大丈夫としても、南面に取り付けるカメラは直射日光が当たる惧れがある。
取説にも注意書きがあるが、「屋根のある軒下」を前提に「なるべく高い位置(常に日陰)」を選び、直射日光を避けられる場所にしたい。
優先事項の2つめ。
電源コードの経路が確保ができること。
付属するACアダプタに防水性能はないし、屋外コンセントに直挿しするのも望ましくない。
取説にも「DCコードとACアダプタは屋内側で接続使用してください」とある。
なので、電源コードを外壁から屋内へ引き込める場所やコードの経路ルートを検討する。

©Panasonic
2 取付工事
取説を確認。

©Panasonic
1.準備
1)位置決め
カメラの場所は1階の屋根の軒下が第一候補。
広い平面があるサイディング壁なら、カメラの固定も配線モールも取り付けしやすい。

古家のガルバニウム凸凹壁には少し下地準備が必要になりそう。

鋼板が厚くないし凸凹でフラットではないため。

使っていない換気扇フードなども再利用する計画。

2)カメラ側の確認
カメラ台座には径5mmのネジ孔が4か所ある。

付属のタッピングビスは径4mm×4本。

サイディング壁ならこの付属ビスでたぶんOK。

3)壁側の下地
古家のガルバニウム壁は鋼板が厚くないのでカメラ直付けはNG、木板などで下地を作ることにする。

鋼板壁の凸部にまたがる場合はこのような加工も。

2.下地材の加工
凹凸な壁にカメラを据えるため平面な土台を作る。
①厚10mm以上の端材を用意。

②径4mmタッピング用の孔を4~6か所をあける。

③皿頭に対応するため面取りカッター加工も。

皿ビスを仮締めして面を確認。

④現地調査してカメラ位置(高さ)が決まったら、予め固定の下孔もあけておく。

⑤これで下地補強材の準備は完了。

⑥湿気対策として木板の表にも裏にも10回ほどウレタンスプレーを吹きつけた。
3.穴あけテンプレート
①カメラ台座に4か所ある孔の位置を透明なシート(PETなど)に写す。

②ビスの下孔用なので2.8mmくらいで。

③カメラ設置用のタッピングビスは別途ステンレス製4×16mmを用意。

4.カメラの据え付け
1)ガルバニウム鋼板の例
①鋼板のリブ間の凹み部分にピッタリ切り出しておいた下地板を貼り付ける。

②接着剤代わりに耐候性シーリングを周囲にたっぷり塗布。

③ビス部分にもシーリング剤を塗って防滴処理。

④必要に応じてカメラ土台(プラBOX)を下地板に取り付ける。

⑤1台めカメラを下地板に直付け固定する。 ※下孔を開けておくとラク

⑥水平をチェックして本締め。

⑦2台めカメラを土台BOX側に固定する。

土台BOXを挟んだ理由は、横向きにするカメラを少し壁から離したいため。

土台用のBOX工作については別途あらためて。

2)換気扇フードの例
①テンプレートを使って位置をマーキング。
以降、カバー奥の作業なのでとてもやり難い工程になる。

②タッピングビス用の下孔をあけて水平をチェック。

③電源コードを通す14mm孔も開ける。

④貫通部をヤスリがけ。

⑤電源コードの通りを確認したら、固定のビス孔にシーリング材を塗布。
⑥カメラをタッピングビスで仮固定。 ※狭い空間なので一番大変な作業

⑦水平を再チェック。

⑧ビスを本締め。

5.配線
1)エアコン用スリーブを利用する例
①エアコン配管の貫通部“エアコンパテ”を取り除く。

②ライト等で貫通部の内側を確認。

③配管カバーへの孔あけ位置を見定める。

④位置を確認してカバーに径14mmの孔あけ。 ※下孔から3段階くらいで

⑤切削バリをヤスリ掛け。

⑥貫通か所を光で確認。

⑦延長コードとビニルテープを準備。

⑧配線通しワイヤー(ケーブル索引ワイヤー)を通す。

⑨延長コードをテープ巻きした配線通しワイヤーを貫通孔に通す。

⑩室内に延長コードを引き込む。

2)天井裏の空間を利用する例
①ユニットバスなど点検口のある天井裏を配線ルートにする。 ※以降ユニットバス=UB

②UB天井裏からUB壁のコンセントへ延長コードを通す計画。

③2連用コンセントプレートや石膏ボード用取付押え金具(2連)を用意。

④増設用の埋込取付枠と通線ガイド(大穴テレホンガイド)も用意。

⑤増設する埋込取付枠の位置を確認。

⑥増設用の取付押え金具の位置に目印の孔あけ。

⑦引き廻しノコギリ(ボード用)を用意。

⑧ドリル孔をガイドに石膏ボードをカット。


⑨切削バリをカッターナイフで除去。


⑩既存の石膏ボード挟み金具を外す。

⑪新たに石膏ボード用取付押え金具(2連)の位置を確認。

⑫壁内に石膏ボード用取付押え金具(2連)を入れてみる。

⑬壁の間柱と干渉する部分があることが判明。

⑭干渉部分をニッパ等で切除。


計2か所カットした石膏ボード用取付押え金具(2連)。

⑮埋込取付枠2連を壁内に収めてみる。

⑯元コンセントを取り付けて収まりを再チェック。

⑰石膏ボード用取付押え金具が落下しないようテープ止めすることを忘れずに。

⑱外壁から引き込んだ延長コードをUB壁の隙間に通す。

⑲配線通しワイヤーやヒモなどを駆使して延長コードを引き出す。

⑳元のコンセントを取り付けまずは仮締め。

㉑通線ガイドにコードを通し増設する取付押え金具を並べる。

㉒水平や角度を調節して本締め。 
㉓ベースのプレートをビス止め。

㉔ 化粧プレートをはめ込んで終了。

3)貫通部の処理
外壁を貫通する部分は防雨対策が必要。
こちらは溝付きゴム製グロメットSG-14A。

溝径(壁貫通径)が14mm、コード類を通す内径が9mmの製品。

延長コードのジョイント部分の径は約10mm。

グロメットはゴム製で柔らかい。

内径9mmの膜をカットしてやれば約10mmのジョイントも通せるし

捩じ込めば2本の延長コードも通る。


| エアコン配管カバーの例 |
配管カバーの厚さは2~2.5mmくらいなので“溝付きグロメット”を使用。
延長コードをグロメットに通してから配線。

グロメットの溝部分(カバーに嵌る部分)にシーリング材を塗っておけばOK。

| ベニヤ合板の例 |
厚さが10mm以上になる部分には片ツバ(T型)になったグロメットを使用。
こちらもコードをグロメットに通してから配線し、シーリング処理をしておく。

4)化粧モール
外部に電源コードが見えてしまう場所は、化粧モール(配線モール)でカバーする。
風雨による痛みを防ぎと見栄えをよくするのが目的。
今回使ったのはマサル工業のニュー・エフモールという商品。

©マサル工業
延長コード部分だけなら3.5mmなので「0号」サイズでもOKだが、
ジョイント部分は約11mmなので「3号」じゃないと入らない。
カメラ2台分のコードには「3号」を使用。

端部はエンドと呼ばれるパーツで塞いでおくと虫などの侵入も減らせる。


狭い曲がり部分は、デズミやマガリと呼ばれるパーツを組み合わせて対処。

塩化ビニル(PVC)製なのでサクサク切れる。

接着はシーリング剤とプラスチック接着剤。

エアコン配管カバー孔の端にもエンドパーツ。 
エンドパーツに延長コード(ビニルパイプ保護済み)が通る孔をあけて処理。

室内側にも化粧モールを。
動作の確認
全てのカメラ設置と配線を終えて、改めて動作を確認。
WiFi電波環境は、ホーム画面>設定>機器の管理 とタップして進むと

「機器の管理」画面で接続状況を確認できる。

まとめ
Panasonic VL-CV100Kの基本設定からモニター親機の設置、カメラの設置をDIY工事した。
プロに依頼しなくてもDIYでできそうな情報から挑戦してみたが、特に屋外にカメラの取り付けや配線、何もない壁にモニターを取り付けるなど、なかなか簡単には行かず試行錯誤でなんとか終えることができた。
1 良いところ・良くないところ
1.システムについて
- 基本セットのVL-CV100Kは箱出しすぐ電源を入れれば映像が映る〇
- 増設するカメラの登録もQRコード画面を用いてカンタン〇
- 複数のモニター環境(モニター親機1台、モニター子機1台など)には未対応×
- モニターOFF時に動作検知した場合に映像が映るまで10秒もかかる×
- WiFi電波が強いのは間に壁1~2枚くらいまで×
- 環境にもよるが部屋2つ以上離れると中継機が必要かも×
2.モニター親機について
- 約12型の画面は見やすい〇
- 設定などの操作画面も判りやすい〇
- 通電中いつもポカポカするほどの熱があり耐久性が心配になる△
- カメラ4画面からカメラ1台の△
- 画面照度や背景カラーなどを変更できない×
- モニターからの確認音が5段階くらいしかなくさらに小さくできない×
- ドアホン親機の様な壁掛け金具が同梱されていない×
3.屋外カメラについて
- 海外製に比べて製品の出来がいい〇
- 400万画素CMOSセンサーの画像はきれい〇
- 赤外線LEDにより暗闇映像がモノクロでも鮮明〇
- カメラの検知範囲をモニタ画面で設定することができる〇
- 設置時の角度に制限が多く向けられない方向(例えば真上など)がある×
- カメラから鳴る「ピッピッ…」という確認音が個人的に耳障りな高音×
- 集音マイクが備わっているが親機で聞くと何をいっているのか解らない×
4.専用アプリ「いえモニ」について
- リアルタイム映像が見られる〇
- 手動操作の動画録画&写真撮影ができる〇
- microSDに録画された映像を確認できる〇
- カメラの設定を変えることはできない△
- PCでカメラ映像を確認できない×
- Wi-Fiが弱いと映像が接続されない× ※下写真のNo.3
- 初期画面がタテ並び4枠のみでスクロールしないと4台全てを見られない×
- ストリーミング見るために1台ずつタップしなければならず同時にできない×
- スマホを横にしてもモニタ親機の様な4画面設定にできない×
- スマホ縦のまま4画面はできるが画像が小さすぎ△ ※下写真の状態

2 まとめ感想
総じて使いやすいカメラのセットだと感じた。
スマホのアプリを使わないのであれば、電源オンですぐカメラ映像がモニタに出るのは便利。
映像もそこそこキレイで設定も簡単だったので自分のような初心者にも勧められるかも。
少し手間取ったのは電源コードの配線か。
確かにDIYでできるが、屋外から室内に入れなければならないのはまぁまぁ苦労した。
カメラの耐久性などはこれから要観察だが、スマホ横置き全画面にできないアプリ「いえモニ」アプリの使いづらさは何とかしてほしいところ。
そして一番気になるのがアプリが中華製であることである。
この御時世いろいろ心配になる・・・







