MATTEL『Hot Wheels RC 1/64 GT-R』ヒミツを探る①
マテル社『ホットウィール 1/64 RCミニカー』は、後輪(駆動輪)のみでスピードもカーブもコントロールするトイラジ。
その中身(秘密)を知りたくて『NISSAN GT-R』を分解してみることにした。

Hot WheelsⓇ RC GT-Rの分解
1 シャシーの分解
裏返すと2本のビスが見えるのでこれを外す。

特殊ビスではないので普通のプラス(+)ドライバーNo.1 でOK。

シャシーとボディが分割される。

Hot WheelsⓇといえばダイキャスト(鋳造合金)製がウリなのだが、この商品は全身プラスチックの黒ボディ。
ウインドウは透明じゃないし、他のGT-Rと少し違う造形のよう。

2 基板まわりの分解
1.バッテリー
フロントウィールをどけて、基板の上のリチウムイオン充電池を外していく。

電池は厚手の両面テープで貼られているだけなので、剥がせば外せる。

1)電池の容量
表示には「3.7V 50mAh」とある。

2)電池のサイズ
大きさを測る。長さは約20mm。

幅は約14mm。

厚みは約5mm。

2.受信機基板
リチウムイオン充電池の下に基板がある。

中央のビス1本で固定されている。

基板のビスを外した様子。

基板を裏返すと、充電コネクタ端子とON/OFFスイッチがある。

1)基板のサイズ
基板の大きさを測る。長手方向は25mm。

幅は20mm。

スイッチを含む厚さは約6mm。

2)アンテナ線のサイズ
アンテナ線の太さは1.6mm。

アンテナ線の長さは約37mm。

3 モーターマウントの分解
シャシー後部にモーターマウントがある。
マウント内にはモーター2つと後輪2つが内蔵され、1つのユニットになっている。

モーターマウントの上蓋は凹凸式にはめ込まれているだけなので、隙間にマイナス(-)ドライバーなどを挿し込めば外れる。

上蓋側を持ち上げると2つのモーターが収まっている。
モーターの下には後輪(リアウィール)が左右2つある。
ギアは、モーター・ピニオンとホイール直付けスパーの2段階のみ。

モーターの大きさを測る。直径は6mm。

長さは14.3mm。

モーター直付のピニオンギアは7枚歯。

モーターのリード線は上蓋の穴を通してから基板にハンダ付けされている。
なので、ハンダを溶かさないと上蓋とモーターは分離できない。

4 ウィールユニットの分解
ウィールとタイヤの構造について。
タイヤ材質は前輪がプラスチック製、後輪はゴム製である。
前輪も後輪も、ウィールに接着されていて分解できない。
車軸はシャシーに固定され、タイヤ・ウィールが回転する構造になっている。

前輪も後輪も軸の両端がリベット加工されており、車軸から抜けない構造。
もしタイヤ/ウィールを外したい場合は、車軸(金属棒)を切断するしかない。
またタイヤ(黒色)とホイール(灰色)も接着されていて外すことができない。
リアホウィールと内側スパーギアは一体成型されたプラスチックになっている。

1.前輪ユニットのサイズ
前輪のタイヤ径は11.4mm。

前輪の外幅(トレッドの外側)は29mm。
車軸径は1.19mm。

2.後輪ユニットのサイズ
後輪のタイヤ径は14mm。前輪よりかなり大きい。

後輪の外幅(トレッドの外側)は29mm。
これは前輪と同じ。

後輪の内側にはウィールと一体成型のスパーギアがある。
直径は約10mm、ギアの歯数は24枚。
リアタイヤ外径が14mmなので、外周2mmの差でスパーギアがあることになる。
こちらも車軸径は1.19mmで同じ。

3.ウィールベース
ここでウィールベースは約45.3mm。

外せるパーツを全て分解した NISSAN GT-R。
部品数の少ないシンプルな構成。

Hot WheelsⓇ RC GT-Rの復元
バラしたパーツを組んで復元していく。
1 モーターユニットの取り付け
1.リアウィール
まずは後輪ユニットを取り付ける。
左右の区別は無いので、どちら向きに取り付けてもOK。
中央には2つの軸受けパーツがあるので、所定の位置にはめ込む。

2.モーターマウント
モーター2個をモータマウント(ボックス上側)に組み込む。

左右のモーターは互い違いに向きあう形になる。

リアウィールが外れないよう注意しながら、モーターマウントをかぶせる。


2 基板まわりの組み込み
1.受信機基板
受信機基板を固定する。


2.バッテリー
リチウムイオン充電池を基板上に両面テープで貼る。

3 フロントまわりの組み込み
1.アンテナ線
アンテナ線はなるべく伸ばしたほうが良いと思うので、シャシーの外辺を回してフロントホイールの方へ渡す。

2.フロントウィール
どちらが先でもOKだが、アンテナ線との干渉に注意しながらウィール軸をはめる。

4 ボディの取り付け
全てのパーツを納めたら、シャシーとボディを組み付ける。
固定ビスは2本。

Hot WheelsⓇ RC GT-Rの調整?
走らせてみた第一印象は「まともに曲がらない直線番長」といった印象だった。
過去記事は ➡こちら。
ステアリング左右に動かないHot WheelsⓇRCカーがオーバーステア過ぎるのは、
①ステアリング機構がそもそも無い
②前輪が滑りすぎているため & 後輪だけグリップしているため
もちろん滑りやすい床という理由も大きいが、ミニカー遊びに合わせて床の摩擦係数を変えられるはずも無く、やっぱりミニカー側で何とか対策したいもの。
普通のRCカーなどでは、前後のタイヤのグリップ力を変えたり、フロントタイヤの角度を変えたりして、コースへの対策をしたりする。
しかしこの Hot WheelsⓇRCカーはタイヤも(原則)外せないし、トー角もキャスタ角も動かせない。

ならどうしたらオーバーステア対策できる?
と無い知恵を絞ってみた。
対策1、後輪のグリップを減らす。
対策2、前輪のグリップを増やす。
一番カンタンなのはタイヤのグリップ力を変えること。
具体的には、プラスチックの前輪をゴム製タイヤにすればOKなはず。
なんだけど、タイヤは接着されててウィール(ホイール)から外れない。
なら前輪になにかを貼る?としたら外径が変わってしまう。
他に前後のグリップを変える方法はないか。
分解しながら思いついたのが「バッテリー位置なら簡単に動かせる」ということ。
前後して重心を変えたらクセを直せるかも?

さっそく試してみた。
が、、、大した効果は無かった_| ̄|○
何かいい対策はないものだろうか。。。
まとめ
バラして思ったことはパーツの数がとても少ないこと。
- フロントウィール&リアウィールは軸棒から外せない一体ユニット
- タイヤとウィールも接着された一体モノ
- ギアは「モーターピニオン」と「リアホイール一体成型スパー」の2段
- ボディはプラスチックの一体成型品
他社の”トイラジ”と比べると、自由自在なコントロールができないのでイマイチ感があるHot WheelsⓇRC。
しかしシンプルな構造をプラスに考えれば、いろいろい弄りやすいとも言える。
例えば重心を変えたりタイヤのグリップ力を変えたり、改良次第では面白く遊べるかもしれない楽しさがある。

次回は『ホットウィールRC 専用コントローラ 送信機 中身│分解』。







