MATTEL『Hot Wheels RC 1/64』バッテリー│モーター│テスト
今回は Hot WheelsⓇ 1/64 RC に内蔵のリチウムイオンバッテリーについて、持続時間や充電時間についてテストしてみる。
テストカーは”1/64 CYBERTRUCK“。
Hot Wheels RC 1/64 バッテリーのチェック
充電済みの Hot Wheels RC 1/64 CYBERTRUCK を用意。
1 ペアリング
コントローラには予め電池(単三×4本)を入れておく。
コントローラとペアリングするために、まずRCカー側の電源をオンにする。
つづいて、コントローラ中央にあるペアリングボタンを押す。
LEDインジケータが2回ずつ点滅を始め、数秒後に点灯に変わってペアリング完了。
2 バッテリー持続時間
本来ならHot Wheelsの”トラックコース”で走行テストしたいところだが用意ができなかったので、タイヤを空転させてバッテリーの持ち時間を計る。
コントローラの右肩あたりに”ブーストボタン”がついている。
これを押すと、スティック操作の全開よりもスピード走行ができる機能。
このボタンを押しっぱなし、つまり最大の消費電力で持続時間を計ってみる。
ブーストONと共にストップウォッチで計測。
結果、79分間回っていた。
3 バッテリー充電時間
完全に電池が空っぽになったCYBERTRUCKで、次は充電時間を計る。
コントローラから引っ張り出した充電プラグをシャシー裏に挿し込んだら、
コントローラ中央の充電ボタンを押して、充電スタート。
充電が始まるとLEDインジケータがゆっくり点滅を始める。
充電が完了すると点滅していたLEDインジケータが点灯に変わる。
空っぽ状態からの満充電にかかった時間は、約20分だった。
Hot Wheels RC 1/64 電圧のチェック
バッテリーとモーターの電圧を計ってみる。
1 計測機器
用意するものは3つ。
①デジタルマルチメータ
②フック式テストリード ×1組
③細いリード線 ×2本
1.マルチメータ
電圧を計るためには必ず必要な計測器=マルチメータ。
写真⇩ HIOKI DT4261
2.テストクリップ
テストリードの先端に装着して、ICなどの計測に用いるアダプタ。
写真⇩ SANWA TL-9IC
先端がフックになっていて、約1mmまでのリード線を掴んで保持できる。
3.テスト用リード線
直径Φ0.5mmくらいの単芯のリード線を1組2本。
充電プラグの端子に挿し込んで、マルチメータでの計測を容易にする。
2 コントローラの計測
1.準備
充電プラグは凸型をしていている。
突起(ツメ)を上にすると、左がプラス(+) 右がマイナス(-)。
それぞれにリード線を挿し込んで計測しやすくする。
(先端が触れてショートしないように注意)
マルチメータのテストリード先端に、クリップ付きアダプターを装着。
HIOKIテストリード+SANWA先端アダプタ。
他社同士になるがなんとか装着できる。
マルチメータ⇒テストリード⇒クリップ⇒リード線⇒充電プラグ、とつながる。
2.充電圧の計測
電圧計測なので、マルチメータのロータリースイッチは「AUTO V」にセット。
コントローラ中央の充電ボタンを押して、充電モードにする。
結果、充電の電圧は「4.149V」となった。
3 バッテリーの計測
1.準備
電源スイッチをONにして、ペアリングを済ませる。
①コントローラの電源をON
②LED点滅を確認してからRCカーの電源をON
2.バッテリーの電圧
まずリチウムイオン充電池の電圧を計る。
計測結果は「3.968V」
ちなみに、リチオウムイオンバッテリー単セルの公称電圧は「3.7V」。
4 モーターの計測
1.準備
2つのモーターは、それぞれ基板上の[M1]と[M2]に繋がっている。
[M1]モーターが右後輪を駆動、
[M2]モーターが左後輪を駆動している。
タイヤを浮かせるため、シャシーをクランプ台に仮固定して計測する。
2.M1モーター
M1モーター(右後輪)の電圧を計る。
1)前進 (最大)
2)後進 (最大)
3)ブースト
4)左曲がり (+前進)
5)右曲がり (+前進)
6)トリム
全速前進のまま、電圧が最高値になるまで、左トリムボタンを押す。
逆に電圧が最小値になるまで、右トリムボタンを押す。
3.M2モーター
次にM2モーター(左後輪)の電圧を計る。
1)前進 (最大)
2)後進 (最大)
3)ブースト
4)左曲がり (+前進)
5)右曲がり (+前進)
まとめ
計測値まとめ
M1モーター (V) | M2モーター (V) | 備考 |
|
前進(最大) | -3.532 | 3.446 | バッテリー満充電時 |
後進(最大) | 3.536 | -3.426 | ↑ |
ブースト | -4.018 | 4.036 | ↑ |
左曲(最大) | -3.609 | 0.285 | |
右曲(最大) | -0281 | 3.937 | ↑ |
左曲トリム最大 | -3.472 ※1 ※2 | - | バッテリー残少 |
右曲トリム最大 | -3.227 ※1 ※2 | - | ↑ |
※注 1)トリムボタンの電圧変動幅は約0.245V (3.472-3.227)
※注 2)トリムボタンの電圧はバッテリー残量半分ほどで計測
わかったこと
1.電圧値について
- リチウムイオン充電池の満充電時の電圧は約4V
- コントローラの電源は1.5V乾電池×4本で6V
- コントローラからRCカーへの充電の電圧は約4V
- ブースト時はバッテリー電圧maxの約4Vで駆動
- 前進時のM1モーターは(電気的に)逆回転
- 前進時のM2モーターは(電気的に)正回転
- トリムボタン調節のステップ幅はおよそ10段階
- トリムボタンによる電圧変化は1ステップ約0.025V
2.電流値について
搭載されているリチウムイオン充電池は3.7V/50mAh。
電流値を計算してみる。
1)モーターの消費電流
2つのモーターを約80分間回した電流値の平均は、
50mAh÷1.3h=38mA。
※ 80分=1.3時間
2)バッテリー充電の電流
20分で満充電になった充電電流値の平均は、
50mAh÷0.67h=75mA。
※20分=0.67時間
※あくまで計算上の推測値。
まとめ感想
50mAhの小さな電池でもけっこうパワフルに分以上走行するHot WheelsⓇRC。
左右のモーターの回転数(電圧)に少しのバラツキがあったが、正確にコースをトレースするわけでもないオモチャなのでまぁこんなものかなという感じ。
今回モーター周りを調べたのは、送受信ユニットを使っていろいろ遊んでみたい計画もあったりするため。
そう思いめぐらせていたところ・・・
最新のHot WheelsⓇRCカーは、送信機からの充電ではなく、一般のUSBコンセント(USB-A 5V)経由で充電をする仕様に変更されているらしい。
ということは送信機も受信機基板もバージョンアップされている?かも?
どこか進化して何が違うのか、近いうちに調べてみたいと思う。